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【府中市美術館】の常設 (2011年10月)

前回ご紹介した世紀末展を観た後、府中市美術館の常設を観てきました。常設と言っても「明治・大正・昭和の洋画 小特集 水絵のせかい」というタイトルがつけられていて、期間も決まっているようでした。

PA090856.jpg

【展覧名】
 明治・大正・昭和の洋画
 小特集 水絵のせかい

【公式サイト】
 http://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/jyosetu/ichiran/H23_permanent_collection/index.html

【会場】府中市美術館  ★この美術館の記事  ☆周辺のお店
【最寄】京王線府中駅/京王線東府中駅/JR中央線武蔵小金井駅など


【会期】
 2011年9月17日(土)~11月23日(祝)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間30分程度

【混み具合・混雑状況(日曜日14時半頃です)】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_③_4_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_③_4_5_満足

【感想】
空いていてゆっくり観ることができました。

さて、今回はタイトルの通り明治・大正・昭和の洋画が中心の常設展示となっています。以前ご紹介した作品も結構あったので、今回はまだご紹介していない作品中心に気に入ったものをご紹介していこうと思います。
 参考記事:
  府中市美術館の常設 (2011年03月)
  府中市美術館の常設 (2010年10月)

アントニオ・フォンタネージ 「風景」
草むらとこんもりした森のようなものを描いた風景画です。その上にはおぼろげに月?が浮かび、ぼんやりと神秘的な雰囲気がありました。バルビゾン派に影響を受けた画家だけに、それっぽい画風です。

浅井忠 「琵琶湖」
横長の絵で、琵琶湖に浮かぶ縦長の帆の舟が2艘描かれています。背景には山が描かれているのですが、裾野しか収まっておらず、それがかえって山の大きさや広がりを感じさせました。舟の上の人たちはのんびりした雰囲気です。

アルフレッド・イースト 「富士山」
手前に水辺、左奥に日の光に照らされた富士山が写実的に描かれた作品です。水辺には沢山の白い鳥たちが水面ギリギリを飛んでいます。周りには雲や霧のようなものが立ちこめ、富士の雄大さと自然の美しさが表現されていました。

正宗徳三郎 「初秋の窓」
窓辺で本を広げて読んでいる中年くらいの女性を描いた作品です。窓の外には緑が繁り、窓には白いカーテンがかかっています。印象派のような明るさで描かれ、女性は静かで知的な雰囲気がありました。

長谷川利行 「荒川風景」
かなり簡略化されたタッチで素朴な作風で、荒川とその周りの風景が描かれています。手前には電柱が並び、背景には4本煙突の工場らしき建物も描かれているなど、ちょっと昔の下町の風景といった感じです。何処か懐かしくノスタルジックな雰囲気がありました。

松本竣介 「ビルの横」 ★こちらで観られます
幾何学的な四角や長方形が並んだビルを描いた作品です。風化したような表現で、静けさと超然とした雰囲気がありました。ビルの一部分を切り取ったような構図を前面に出しているような感じすら受けました。

斎藤義重 「ハンガー」
これは絵というより板を張り合わせたような作品で、深い赤を背景にハンガーというか白い4本の櫛の歯のようなものが垂れるように表現されている作品です。非常に抽象的ですが、赤に白が映えて、有機的なフォルムが優美な雰囲気を出していました。

常設の最後にある小部屋には水彩作品が並んでいました。

古賀春江 「橋」
かなり抽象化された作風で橋のたもととそこを渡ろうとしている人(荷車を引いている?)を描いた作品です。雨が降っているのか所々に斜線があり、水彩の淡さとぼんやりした表現で風情がありました。古賀春江というとシュルレアリスムの作風を思い浮かべますが、水彩ではこういう作風もあるのかと驚きました。

牛島憲之記念館の方には「残夏」や「樽のある街」、「灯台のある島」、「灯台」など好きな作品が展示されていました。
 参考記事:牛島憲之 ―至高なる静謐― (松濤美術館)


と言うことで、常設も楽しむことができました。ここは牛島憲之の作品も含めて独特のコレクションとなっていますので、特別展を観る機会があったら常設も合わせて観ることをお勧めします。
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