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尼門跡寺院の世界 皇女たちの信仰と御所文化 と 芸大コレクション展 春の名品選 【東京藝術大学大学美術館】

伊豆栄で鰻を食べた後、東京藝術大学大学美術館で「尼門跡寺院の世界 皇女たちの信仰と御所文化」と「芸大コレクション展 春の名品選」を観てきました。
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まずは尼門跡の感想。

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【展覧名】
尼門跡寺院の世界 皇女たちの信仰と御所文化

【公式サイト】
http://www.geidai.ac.jp/museum/exhibit/2009/amamonzeki/amamonzeki_ja.htm
http://amamonzeki.iza.ne.jp/blog/2/

【会場】東京藝術大学大学美術館
【最寄】上野駅(JR・東京メトロ・京成)
【会期】2009年4月14日(火)-6月14日(日)

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 2時間00分程度

【混み具合・混雑状況(土曜日15時頃です)】
 混雑_1_②_3_4_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_③_4_5_満足

【感想】
かなり混んでいました。どうやら天皇皇后を始め、皇族の方々もこの展覧をご覧になったらしく、その影響か中高年の女性が非常に多かったです。皇族パワーは凄いですね。

内容はあまり理解できなかった。。。私には猫に小判的なw
特に地下は資料的なものが多くて、混んでて理解できないうちに進まざるを得ないのでいまいちテンションが低かったです。 公式ページから引用すると、「尼門跡とは皇族・公家など、高貴な女性の入寺によって営まれてきた独特な品格を 持つ寺院」とのことですが、まずその存在を知らなかったこともあり、資料を観ても、へー(・∀・)って感じで後ろに押し出されつつ淡々と観てしまいました。地下で観た中で印象に残っているのは着物くらいかな。。。

3Fに移動しても、知らない尼達の肖像が続き、いまいち趣味じゃないかも。。。 と、思ったら急激に面白くなるのが後半。
霊鑑寺の上段の間を再現した一角があり、それがレプリカと分かっていても高貴な雰囲気で素晴らしい作品に仕上がっていました。さらに奥には霊鑑寺の襖絵が展示されていて、ここがこの展覧会のハイライトかな。
そして、最後のコーナーには、皇女たちの生活に使われた品々が展示されています。カルタや双六、合貝、人形、動物の小物など女の子らしく可愛い品や、源氏物語ゆかりの品などがあり、華やかさと奥ゆかしさのある内容でした。(全部こんな感じだと好みなのですがw)

ということで、若干学術的な展示会だった印象があります。私は美術的なアプローチしかしていないので、後半ばかり楽しみましたが、歴史や皇室に興味が深い人には前半も楽しめるかもしれません。とりあえず、人が多すぎて観るのに時間がかかりますので、そこがネックでした。



続いて「芸大コレクション展 春の名品選の感想

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【展覧名】
芸大コレクション展 春の名品選 」

【公式サイト】
http://www.geidai.ac.jp/museum/exhibit/current_exhibitions_ja.htm
http://www.geidai.ac.jp/museum/exhibit/2009/collection200904/collectionlist_2.htm
↑大半の作品が観られます。

【会場】東京藝術大学大学美術館
【最寄】上野駅(JR・東京メトロ・京成)
【会期】前期:4月14日(火)~5月17日(日)
    後期:5月19日(火)~6月14日(日)

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間30分程度

【混み具合・混雑状況(土曜日15時頃です)】
 混雑_1_2_3_④_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_③_4_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_③_4_5_満足

【感想】
不思議とこちらはそんなに混んでいなかったです。知らない画家・彫刻家の作品も多かったですが、これは!?という作品も結構あって、名品展というに相応しい、隠れた名品に出会えたように思います。(結構観たことがあるのもあったので、観られる機会が多い作品もありそうです)
いくつか気に入った作品を紹介。(公式サイトで展示作品の大半がご覧になれます)

曽我二直庵 「鷺鷲図屏風」 ★こちらで観られます
大胆な感じもしつつ、曲線の多さから優雅な感じも受けました。

池大雅 「富士十二景図」 ★こちらで観られます
どこかのんびりしてデフォルメされた雰囲気が池大雅らしく感じます。

川合玉堂 「鵜飼」 ★こちらで観られます
かがり火の煙?が幻想的な雰囲気をかもし出しています。柔らかい色彩でおぼろげな感じがします。

原田直次郎 「靴屋の親爺」 ★こちらで観られます
頑固そうな親父ですw しかし、王侯貴族のような威厳に満ち溢れ、まるで歴史の偉人のように見えました。

藤島武二 「池畔納涼」 ★こちらで観られます
藤島武二の作品は結構好みなんですが、これはその中でもかなり好みの部類に入ります。画面全体が薄い赤紫色で、夏の夕暮れの美しさを思い出します。着物の2人も涼しげです。

岡田三郎助 「ムードンの夕暮」 ★こちらで観られます
こちらの夕暮れは荒涼として、早く家に帰りたい時の冬の夕暮れを思い出しました。どこか懐かしさも感じます。

南薫造 「すまり星」 ★こちらで観られます
絵本の挿絵にありそうな、幸せな雰囲気を感じます。静かな夜の美しい星空に思いました。

平櫛田中 「良寛来」 ★こちらで観られます
良寛さんって昔話で聞いたなーなんて思いつつ観てました。リアルな感じで好々爺っぽいです。

ということで、点数は多くないですが粒ぞろいで面白かったです。尼門跡展の隣で開催されていますのでセットでどうぞ。


なお、東京藝術大学大学美術館 陳列館 1階・2階展示室では第3回企業のデザイン展「資生堂・サントリーの商品デザイン展」が開催されていて、主に若い人達が列を作るほどの盛況ぶりでした。
公式ページ:http://www.geidai.ac.jp/museum/exhibit/2009/design_ss/design_ss_ja.htm
私は並ぶのが大変そうなのでパスしました。面白そうな内容だけにちょっと残念。。。(もう会期も終了した模様です)

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