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アーティストin湘南Ⅱ 良眞木・内田あぐり・石井礼子 【平塚市美術館】

前回ご紹介した平塚市美術館の特別展を観た後、隣の部屋で開催されていた「アーティストin湘南Ⅱ 良眞木・内田あぐり・石井礼子」も観てきました。

PB021231.jpg

【展覧名】
 アーティストin湘南Ⅱ 良眞木・内田あぐり・石井礼子

【公式サイト】
 http://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/art-muse/2011205.htm

【会場】平塚市美術館  ★この美術館の記事  ☆周辺のお店
【最寄】平塚駅


【会期】2011年9月17日(土)~11月27日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間30分程度

【混み具合・混雑状況(祝日16時頃です)】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
こちらも空いていてゆっくりと観ることが出来ました。

さて、今回の展示は以前ご紹介したアーティストin湘南の第二弾となっていて、今回は3人のこの地にゆかりのある個性的な女性作家を紹介する内容となっていました。それぞれ気に入った作品を通じてご紹介しようと思います。
 参考記事:アーティストin湘南Ⅰ  ~工藤甲人・伊藤彬・中野嘉之・山本直彰・斉藤典彦~ (平塚市美術館)


<良眞木(こうらまき 1930-2011)>
まずは良眞木という画家のコーナーです。精神医学者の父と参議院議員の母を持った良眞木は、1949年に渡米し、53年にはパリのグラン・ショミエールでデッサンを学んだそうです。初期はシュルレアリスム風の心象風景を描いていましたが、やがて静物画や風景画を描いていったらしく、そうした作品が並んでいました。

良眞木 「日月」
大きな赤い太陽と三日月が浮かび、赤い平野に枯れ木が1本立っている様子を描いた作品です。白い川のようなものもあるのですが、恐らく心象風景を描いたもので、シュルレアリスム風の雰囲気と寂しさを感じました。

この辺にはこうした大きな太陽を描いた作品が何点か並んでいました。

良眞木 「銀杏」
コンテ・鉛筆で書かれたいちょうのデッサンです。無数の黒い枝を伸ばしていて、枯れ木なのに力強い生命力を感じさせます。解説によると、良眞木は敗戦の年に空襲で枯れた楓が再び芽吹いたのを見たことが再び絵を描くきっかけなったそうです。名前も眞木であるので木には特別な思い入れがあるらしく、特別なモチーフとなっていったようです。

この辺は木の絵やデッサンが並んでいました。

良眞木 「バラ」
写実的に描かれたバラの絵です。陰影もつけられているのですが、どこか軽やかな雰囲気があります。これは28歳の時に童話「野に帰ったバラ」の挿絵を描いた際の1点らしく、出版社に「図鑑のように正確であってしかも詩的に」という注文があったそうです。確かにその注文に沿っているように感じました。
この近くにはその童話も本もあり、挿絵は他にもいくつか並んでいます。

良眞木 「ひまわり」
花瓶に入ったひまわりを描いた作品です。写実的に描かれていますが、しおれていて、葉っぱはシワシワで花にも力がありません。重ねた色もどこか不穏なものを感じました。これは1ヶ月くらいかけて描いていたらしく、途中でしおれてしまったそうです。
この辺には野菜や果実を描いた静物が並んでいました。この辺の作風はよく変わります。

良眞木 「海景」
パステルで描かれた海原の風景で、線でうねりを表現しています。緑や青、たまに赤も混じっていて海の力強さを感じました。
この辺には海辺の人々の生活を描いた作品などが並んでいました。

良眞木 「樹」 ★こちらで観られます
大きく絡みあうような木を描いた作品で、画面いっぱいに広がっています。これは展覧会で賞を貰ったそうで、「私はこの木はこう見える。こうあらねばならない」と言うと木は「私はこうあるのだ。お前はこう見ないといけない」というように木と対話するように描いたとのことでした。素朴派のような雰囲気も感じたかな。

この辺は木を描いた素描や田園風景の作品などもありました。


<内田あぐり(うちだあぐり 1949-)>
続いては今も武蔵野美術大学で日本画の先生をしつつ、葉山にアトリエを持って活動している内田あぐりのコーナーです。「私が描きたいもの、それは人間の存在である」と語っているそうで、日本画ですが従来の形にとらわれない革新的な作品が並んでいました。

内田あぐり 「わたしの前にいる、目をとじている」
2曲の屏風かな? 抽象画のようでこれが日本画なの??と驚きました。所々に布と糸で縫い合わせたような所があります。全体では何を描いているのか分かりませんが、花の文様のようなものが描いてあるのは日本画らしい感じかな? よく観ると琳派がよく使っていたたらしこみの技法なども使われていました。凄く独創的でありながら伝統も取り入れているところが素晴らしいです。

内田あぐり 「消光」
恐らく6曲の屏風かな? これも抽象的な大型作品で、中央部分に裸体の人物(後ろ姿)の首から下の部分が描かれているのが分かります。散りばめられた文様や色合いが美しく、今まで観たことがないような感覚の作品でした。


<石井礼子(いしいれいこ 1974-)>
最後は藤沢で活動している石井礼子のコーナーです。9歳の頃から割り箸に墨をつける方法で絵を描いていたそうで、墨のモノトーンで細密に描写する独特の画風が特徴のようです。

石井礼子 「私の周囲(いただきます)」
食卓を上から見下ろしたような構図の白黒の作品です。テーブルには沢山の食べ物が置かれているのですが、我々日本人がよく消費している「伊右衛門」のお茶や「赤いきつね」のうどんなど見覚えがある食品となっています。テーブルには4人の人達がそれを食べていて、周りには沢山の猫たちもいました。全体的に密集して描かれていることもあり、独特のプリミティブな雰囲気と緻密さが不思議な作風でした。

この辺にはこうした白黒で大画面の作品が並びます。

石井礼子 「私の周囲(ベランダⅠ)」
部屋の中を高い位置から描いたような作品です。ベランダで窓拭きをしている女性や、部屋の中でおもちゃを持っている子供、沢山の猫たちも描かれています。机の上には雑誌や回覧板などが描かれているのですが、奥行きや遠近感変わっていて平面的な感じです。文字も多く密集した感じがありました。人物たちが非常に生き生きして生活感があるのも特徴のように思いました。

最後には「ちいさいおきゃくさん」という本の原画などもありました。


ということで、今回も独創性のある作品を観ることができて予想以上に楽しめました。特別展のチケットで観ることができますので、特別展に行く際にはこちらの展示も観ることをお勧めします。
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