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ヨコハマトリエンナーレ2011 【横浜美術館】

この前の日曜日に、横浜美術館へ行って「ヨコハマトリエンナーレ2011」を観てきました。私が行ったのは最終日だったので既に終了していますが、一応ご紹介しておこうと思います。なお、この展示は3つの会場で開催されていましたが私が観たのは横浜美術館のみとなります。

PB051399.jpg PB051392.jpg

【展覧名】
 ヨコハマトリエンナーレ2011 OUR MAGIC HOUR
 -世界はどこまで知ることができるか?ー

【公式サイト】
 http://www.yokohamatriennale.jp/

【会場】
 横浜美術館  ★この美術館の記事  ☆周辺のお店
 日本郵船海岸通倉庫
 ヨコハマ創造都市センター(YCC)

【最寄(横浜美術館についてです)】
 JR桜木町駅/みなとみらい線みなとみらい駅


【会期】2011/8/6(土)~11/6(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間30分程度

【混み具合・混雑状況(日曜日14時半頃です)】
 混雑_①_2_3_4_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
非常に混んでいて、15分くらい会場の外で烈に並びました。最終日だったこともあると思いますが、凄い人気です。

さて、この展示は3年に1度の割合で開催される現代アートの国際展示で、今回は4回目となります。そのサブタイトルにあるように「世界や日常の不思議、魔法のような力、さらには神話等に言及した作品に注目し、国内外で活躍する現代美術家の作品をはじめ、横浜美術館の所蔵品なども織り込んだダイナミックな展示」となっているようでした。非常に混んでいたためにメモを取るどころか全作品を観ることもおぼつかなかったので、いつものように解説をご紹介することはできませんが、写真を撮っても良い作品がありましたので、撮ってきた写真を使っていくつかご紹介しようと思います。

屋上にはウーゴ・ロンディノーネによる看板?もありました。
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この「OUR MAGIC HOUR」というのは今年のヨコハマトリエンナーレ2011のサブタイトルです。

会場の前にはウーゴ・ロンディノーネのモアイ像のような作品が並んでいました。
PB051397.jpg

何とも可愛らしくて面白い顔で、これだけでも展示の楽しさが伝わってきました。
PB051396.jpg PB051470.jpg

↓これは2階に行った時に撮ったものですが、中はこんな感じで混んでいました。

尹秀珍(イン・シウジェン) 「One Sentence」
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渦巻く迷路のような中を進んでいくのですが、円形の布地を輪切りにしたようなものが並んでいました。

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オノ・ヨーコ 「TELEPHONE IN MAZE」
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これは何時かかってくるか分からない受信専用の電話で、たまにオノ・ヨーコから直通電話がかかってくるそうです。透明の迷路の後ろに見えているのは待っている人の列。私は待つのを諦めました…。

前田 征紀 「THE SEVEN SEASON」
PB051414.jpg
2階に向かう階段にも作品がありました。星をイメージしているようです。

ウィルフレド・ブリエト 「One」
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これは2800万個の模造ダイヤとダイヤモンドが1個入っているそうですが、絶対に見つけることは出来ないと思いますw 発想が面白いです。

冨井大裕 「ゴールドフィンガー」
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抽象画か?と思ったら、これはすべて画鋲でできていました! よーく観ると何種類かの画鋲を使っているので模様のように見えるようでした。

この部屋の隣には映像作品があり、その奥にはパフォーマンスを実演しているコーナーもあったのですが。混み過ぎていて両方あきらめました。

トビアス・レーベルガー 「他者」
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この天井から吊り下がっているランプは59個あり、インターネットを通して横浜の子供部屋の電灯のスイッチと連動しているそうです。子供が自分の部屋の電気を切るとこの電気が灯るのだとか。遠い所で起こっていることと連動しているというのが面白いです。

この先は写真が撮れないところもあったのですが、部屋一面に黒っぽい色合いの絵が並んだ横尾忠則の作品郡や、リアルなのにシュルレアリスム的な雰囲気のハン・スンピルの作品などが気に入りました。

佐藤充 「親愛なる皆様へ」
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独特の禍々しさと漫画のような雰囲気のある壁画で驚きました。落書きみたいだけど密度があって怖いくらいです。

岩崎貴宏 「フェノタイピック・リモデリング(新聞紙)」
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新聞紙の上に写真立てが乗っているような作品があってこれまた驚き。意図は分かりませんが、これが作品なの!?とどうしても思ってしまいますw

工藤哲巳 「あなたの肖像」
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どこかシュルレアリスムを彷彿する不思議な作品。ちょっと不気味ですが心の奥底の何かを揺さぶるものがありました。

八木良太 「音楽の光」
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これはレコードをろくろのようにして陶器を作るという作品でした。実際に作っている映像もあり、これまた面白い発想です。

この辺は撮影禁止が多かったので撮っていませんが、今回のポスターにもなっているミルチャ・カントルの作品が面白かったです。白砂を掃く白い服の女性たちの映像で、重厚な音楽と相まって神秘的というか宗教儀式のような雰囲気がありました。
また、5分くらい待って入った孫遜 (スン・シュン)という中国のアーティストによるアニメ作品が特に気に入りました。まるで悪夢の中にいるようなストーリーがあるような無いようなシュールな内容で、以前観たウィリアム・ケントリッジの作品を思い出しました。
 参考記事:ウィリアム・ケントリッジ 歩きながら歴史を考える そしてドローイングは動き始めた…… (東京国立近代美術館)

こちらは湯本豪一コレクションというコーナー
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古今東西の様々な妖怪に関するものを集めたコーナーで、昔の映画のポスターだけでなく、パチンコ台なども展示されているのが面白かったです。3000点もコレクションしているのだとか。

この隣の部屋にあった池田学の超精密な動物のスケッチ作品郡や、マッシモ・バルトリーニのパイプオルガンのような作品、奥の部屋にあった荒木経惟の猫が年老いて死んでしまうまでの一連の写真なども良かったです。杉本博司のコーナーは人が並び過ぎていてこちらもパスしてしまいました…。

これは誰の作品か忘れましたが、針金で出来たジェットコースターと観覧車
PB051468.jpg
小さかったですがよくできていました。


ということで、混みすぎていて観るのも困難という状況でしたが、非常に面白い作品が多くて楽しめました。アジアの作家が多いのも新鮮だったかな。できれば3会場全部回りたかったのですが、ちょっと行った時間が遅かったので諦めました。次回開催の際にはもうちょっと早めに行ってみようと思います。


 参照記事:★この記事を参照している記事

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トリエンナーレは行きそこねましたが
先日、トゥールーズ展に行ってきました。「彼のキャバレーにて」は想像以上に迫力があり、大胆な空間と色彩に浮世絵の影響を受けていることがよく感じとられ、おもしろかったです。chat noir がなかったのは残念でしたが「博物誌」や晩餐会のメニューなどポスター以外のものをみることができ、ロートレックの新しい面も知り、興味深かったです。軽い気持ちで行ったのですが、ゆったりとしたひと時が過ごせました。
コメントいただいた月岡芳年「月百姿」ですが、昨年「美の巨人たち」で放送されて以来ずっと気になっていて、おっしゃるとおり「なんでも鑑定団」の放送、再放送とみて遅まきながら、更に本物をみたくなった次第です。次回どちらか東京近辺で展示があれば、今度こそ逃さずみに行きたいと思います。そのためにも、またこちらにもお邪魔して美術館情報をチェックさせてください。^。^
No title
はじめまして。いつも楽しく拝見させていただいております。

私は今回のヨコハマトリエンナーレのボランティアをしていました。
終了間際には入っていなかったので、最終日の写真を見てびっくりしてしまいました。。。
すごい混雑でしたね…
(個人的にはぜひBankARTもご覧いただきたかったです!)

入口にある円形の布地は、円ひとつにつき1人の着衣全部をほどいてぐるぐる巻きにしています。
なのでサイズや色がばらばらになっていて、見ていて色々想像して楽しんでいました。
これは女の人だねとか、子供だねとか、制服だねとか。
正面にある銀のプレートに中国語でアイテム名が書いてあって、その単語ひとつひとつを推測したり…

あと最後の針金の作品は2Fの望遠鏡から覗くと見える作品で、あと2つありました。
(多分、望遠鏡3台しかないので混んでいたと思います。。。)

混雑しても楽しんでいただけたようでほっとしております。
また遊びにきます!
Re: トリエンナーレは行きそこねましたが
>mikiさん
コメント頂きありがとうございます。
ロートレックの展示は毎回似た内容になりがちですが、今回の展示は博物誌など目新しくて貴重なものもあって良いですね。

月岡芳年の作品はちょくちょく観る機会がありますが「月百姿」はあまり観る機会が無かったように思います。また見かけたら記事にしていくと思いますので、たまにチェックしてみて頂けると嬉しいです。
ちなみに月岡芳年の弟子の弟子の弟子である伊東深水の展示を今開催していますが、こちらも良かったですよ。
Re: No title
>naotomomoさん
はじめまして。いつもご愛読頂きありがとうございます^^
こちらのボランティアをされていたとは素晴らしい体験ですね。
何年か前のに行った記憶があるのですが、こんなに混雑するとは驚きでした。
会場も1つしか回りきれず、今回はちょっと乗り遅れてしまいました^^;

入り口の作品はそれぞれ1人分の服だったのですね。どういう意味があるか分からず、見た目の面白さだけ見てきましたw
観覧車のは望遠鏡から観るものだったというのもありがたい情報です。
お察しの通り、ものすごい行列だったので望遠鏡はパスしたものの、何を見ているのか気になっていました。
もう終わってしまいましたが、また3年後に開催されたら観に行ってみようと思います。

今後共宜しくお願い致します。
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■2011/9/29
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  → 関東 > 絵画

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