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ルーヴル美術館展 17世紀ヨーロッパ絵画

今日、上野の国立西洋美術館で「ルーヴル美術館展 17世紀ヨーロッパ絵画」展を観てきた。
http://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/current.html
http://www.ntv.co.jp/louvre/
1102279366_77.jpg


タイトルからしてメチャ混みするだろうと思い、滅多にやらないチケットの前売りを購入。 ・・・案の定凄い混んでた。チケット売り場で15分くらいの列だったみたい。 入り口も右手からの入場だった。

で、中身はというと、これはむしろオランダ絵画とフランドルの絵画展なのでは?というくらい、その辺の作品が充実していた。フェルメール、レンブラント、ルーベンスなどなど当世の巨匠作品が並んでいた。特にフェルメールは今回の目玉だった。
とは言え、フランスやイタリアの作品もあり、いかにも伝統的な作品が多かった。
「黄金の世紀とその陰」、「大航海と科学革命」、「聖人の世紀における古代文明の遺産」という3つの主題で分けているらしい。結構違う画風が並んでいてカオスな感じがするw これはあえて斬新な切り口で展示しているのだとか。そうでもしないと、この時代の絵画ってある程度型が決まってるから、どうしても似通った流れになるのかも。今回もこれ何か前に観たのと似てるぞ??ってのが頻繁に出てきたかな。ただ、この時代の絵画にはもうちょっとその型を解説をしないと理解できないんじゃないかと。やたら混んでいるので、ゆっくり観るというわけにはいかないけど、以前ここでやったパルマ展の時のような解説があったらよかった。


コーナーごとに感想
【黄金の世紀とその陰】
ここでまず気に入ったのは「ド・ブロワ嬢の肖像」 自分はロリコンじゃないです(><) 犬も可愛かった。

「レースを編む女(フェルメール)」 今まで観たフェルメール作品の要素を多く含んでいた。これも止まった時間の中で1点の動きに視線が集中するような題材で、周りの静けさまで感じられる。左側のクッションからほつれた糸の赤がアクセントのように感じた。薄い光も独特だった。

「襲撃」 フランドルっぽいフランドル作品で、ピーテル・ブリューゲル(子)の絵のように、襲撃されている右側と、のほほんとしている左側のギャップが面白かった。

「家族の陽気な食事(ヤン・ステーン)」 以前、ウィーン静物画展でヤン・ステーンの作品を観たけど様々な寓意や皮肉が込められていて、これも絶対に単に陽気なだけではなく何か裏があるはず!観てましたが、解読できませんでした。なんか天井の方で作業しているのが怪しいと思ったんだけどw


【大航海と科学革命】 ここのコーナーが一番好きです。
「果実と野菜のある静物(サミュエル・ホフマン)」 やっぱこういう静物が好きです(><)

「ブリュッセルのブルゴーニュ公旧城 (ヤン・ファン・デル・ヘイデン)」 この画家も最近馴染んできたかな。

「ユノに欺かれるイクシオン(ルーベンス)」 これぞルーベンスって感じの色彩と優雅さが漂ってて素晴らしかった。

「王女マルガリータの肖像(ベラスケス)」 なんか観たことあるぞ??と思ったら、これまたウィーン静物画展で同じベラスケスが描いたマルガリータ像を観たのを思い出した。見比べるとわかるかも。
今回の http://www.ntv.co.jp/louvre/description/pict8.html
ウィーン展の http://www.artm.pref.hyogo.jp/diary/wien/index.html
構図は同じだけど、ちょっと髪が伸びてるぶん、こっちのほうが後の作品なのかも。

「アンドロメダを救うペルセウス(ヨアヒム・ウテワール)」 アンドロメダが美しいです。構図が大胆で目新しかった。

「クリュセイスを~(クロード・ロラン)」タイトル長いんで省略w 中央からこぼれる光が神々しかった。船といい左の石段といい理想世界の風景かな。
看板にもなってるこれ↓
1102279366_127.jpg


【聖人の世紀における古代文明の遺産】 
「受胎告知 天使/受胎告知 聖母(カルロ・ドルチ)」 聖母のほうを遠目に観てここの常設と同じ絵では??と思ったけどよく観ると若干違ってた。(帰りに常設で違いを確かめようとしたら、現在は展示されていなかった。)

「大工ヨセフ」これをポスターで観て、早く観にいきたいと思った。暗闇に照らされたキリストと養父ヨセフの不安げな表情が印象的です。
これです↓
1102279366_99.jpg


「エスランの聖母(シモン・ヴーエ)」神々しさを強調する宗教画の中で、えらく人間っぽく見えた。

「マルスとウェヌス~」絵自体は凄く良かったけど、なんでこのコーナーで「天国の栄光」の隣にあったりするのかよくわかんないですw


こんな感じです。素晴らしい絵が多いけど人多すぎ。。。ルーブルって名前がつくだけでこんなに違うのかと。でもこの辺の絵画は奥深いのでキリスト教や向こうの歴史に精通していないと本当に理解するのは難しいかも。

 ⇒4月末に2回目行って来ました。この記事より詳しく書いています。こちらです。
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Comment
No title
こんばんは。

キリストの手が蝋燭の灯りで
透けて見える表現なんて
まさに超絶技法!!
クラクラしてしまいますよね。

TBありがとうございました。
Re: No title
こちらこそTBありがとうございますm(_ _)m

この絵は特に素晴らしかったです。この展示会は西欧の文化の結晶みたいな感じですので、その奥深さを自分は理解しきれていませんが、また行かなきゃ。。。と思わせるものがありました。
オーラが凄いです(><)
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国立西洋美術館で開催される 「ルーヴル美術館展 17世紀ヨーロッパ絵画」の報道内覧会にお邪魔して来ました。 ルーヴル美術館展 公式サイト (展覧会会場内の様子を撮影した画像はこの記事の一番下にあります) (またこちらの記事に展覧会出展全作品画像付きリ...
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