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感じる服 考える服:東京ファッションの現在形 【東京オペラシティ アートギャラリー】

この前の日曜日に初台の東京オペラシティ アートギャラリーに行って、「感じる服 考える服:東京ファッションの現在形」を観てきました。

PC102357.jpg

【展覧名】
 感じる服 考える服:東京ファッションの現在形

【公式サイト】
 http://www.operacity.jp/ag/exh135/

【会場】東京オペラシティ アートギャラリー  ★この美術館の記事  ☆周辺のお店
【最寄】初台駅


【会期】2011年10月18日(火)~12月25日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間00分程度

【混み具合・混雑状況(日曜日14時頃です)】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
空いていてゆっくり観ることが出来ました。

さて、この展示は注目を集めている日本のファッションの可能性を探るというテーマの展示で、これもファッションなの?と驚くような作品も含めて10組のデザイナーの作品が並んでいました。パンフレットに解説があったのですが、あまり読まずに感覚で楽しんできましたので、今回は簡単な感想を中心にご紹介しようと思います。なお、今回の展覧室は低めの梁があちこちに伸びていて、パーティションのようになっていることに驚きます。この展示方法も作品の一部と言えるかもしれません。


<サスクワァッチファブリックス/SASQUATCHfabrix.(Wonder Worker Guerrilla Band/横山大介・荒木克記)> ★こちらで観られます
まずは入口に何枚ものレザーを継ぎ接ぎにした服を着た牛の像が置かれていました。普段レザーについてあまり考えもしませんですが、こうして観ると急に可哀想な気がするような…。ユーモアなんでしょうが、これはあまり好意的に受け止められませんでした。
この牛の他に、展示室を進むと同じような馬の像などもあります。

<アンリアレイジ/ANREALAGE (森永邦彦)> ★こちらで観られます
やたら細長い服を集めた部屋と、縦を圧縮して押しつぶされたような服を集めた部屋のコーナーです。子供の頃に読んだデブの国ノッポの国の童話が頭をよぎる…w 基準を問い直すのがテーマだそうですが、比率を変えただけで異世界のようでした。

この辺には観光地にあるような顔出しパネルの作品?などもありました。

<ソマルタ/SOMARTA (廣川玉枝)> ★こちらで観られます
黒の無縫製ニットで出来た、レース模様で全身を包む服が並んだコーナーです。未来的でちょっとSFっぽさがありつつ、色気のようなものも感じます。 マネキンも面白くて、仏像で言えば迦楼羅(かるら)のようなクチバシを持った異形の者もいました。その後ろにはいくつかの球体を包んだ黒の無縫製ニットがあり、これもその空間の雰囲気を異世界のようにしているように思いました。

<h. NAOTO (廣岡直人)> ★こちらで観られます
いわゆるゴスロリの服が30着程度、太いチェーンに吊り下げられているコーナー。ビジュアル系のライブ衣装みたいというか、この人によってそうしたカルチャーが広まったようです。壁には肖像画のようなものがあったり、マネキンに血を思わせる赤い飛沫があったりと独特の世界観がありました。 ビジュアル系好きの女性に人気がありそうです。

この先にはミリタリー服を着ているような大きな球体があり、あちこちに穴があって目玉が覗いているような作品でした。これは最初の牛の人の作品かな?

<まとふ/matohu (堀畑裕之・関口真希子)> ★こちらで観られます
白いカーテンに仕切られた苔のむす小さな山のある庭の作品です。え、ファッションなのに庭?と一瞬疑問に思いましたが、この庭の先に苔のような質感と色合いの上着と、玉虫染のジャケットがあり、なるほどと納得。 昔からの日本人の感性を服に取り入れているようで面白かったです。

<ケイスケカンダ/keisuke kanda (神田恵介)> ★こちらで観られます
ウェディングドレスをパーツごとに分解して縦列されたような作品や、学生の恋愛を描いた漫画、神田恵介の服を着た女子高生を浅田政志が撮るという「卒業写真の宿題」などが並んだコーナーです。ちょっと見落としたのですが、ここには四畳半の部屋をすべて服の素材で作るというのもあったようです(梁などで視界が塞がれるので見落としました…) 服で出来た部屋というのは面白そうですね…。これは私のミスが悔やまれますw

<ミントデザインズ/mintdesigns (勝井北斗・八木奈央)> ★こちらで観られます
カラフルな服を着たマネキン達と、モノトーンの服を着たマネキン達が通路を挟んで向きあうように並んだコーナーです。足元や後ろの壁は雑誌か何かを長く裁断したもので作られています。紙くずをあえてファッションに取り入れようとするのが面白いです。紙くずでなければショーウィンドウを飾っていても何ら不思議はないですw

この辺にはまた球体のジーンズの作品がありました。

<ミナ ペルホネン/mina perhonen> ★こちらで観られます
ここは一番ファッションの展示という雰囲気があったかな。壁や梁に写真が貼られ、展示スペースにはガラスに収まった服が展示されていました。観た時は分かりませんでしたが、解説によると1着の服に多くの技術や人の感情が集積されているのを語りかけてくるようだとのことでした。

<リトゥンアフターワーズ/writtenafterwards (山縣良和)> ★こちらで観られます
小屋の中で白熊やライオン、鹿、鳥たち等々の沢山の動物がお金を刷っているという作品です。その隣の部屋には穴からその様子を見ている裸の男性がいて、これはアダムだそうです。鶴の恩返しと失楽園を混ぜたようなストーリーがあるようですが、これがファッションなの?と驚きます。 さらに何故か徳永英明の「夢を信じて」が流れていて、昔のアニメ「ドラゴンクエスト」のエンディング曲だったのを思い出しましたw 資本主義に対するメッセージのような作品なのかな。

<シアタープロダクツ/THEATRE PRODUCTS (武内 昭・中西妙佳・金森 香)> ★こちらで観られます
小さな服屋さんのような部屋と、そこで撮ったと思われる映像があり、ヘッドフォンで音を聞くこともできます。お店の中のキャッシャーやバーコードの音を音楽の一部としてライブするような内容です。これは納品チェックライブというもののようで、期間中に実演もあるようでした。発想が音に向かっているのが面白いです。

最後はファッションショーの映像で、ここまで観た作品なども出ているようでした。出入り口にはいくつかの服も展示されています。


ということで、中々驚きの多い展示となっていました。さしてファッションに詳しくない私でも楽しめたので、ファッション好きの人は特に楽しめるのではないかと思います。

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Comment
No title
息子のお知り合いがいっぱいのこの展示、
建築の方が張り切りすぎて、梁がすごかったそうですね~

ものすごい人がたくさん集まってるんですけど、
どこのブランドも導入部分だけ…みたいで
物足りなくはなかったですか?? そんなことないかな?

ちょっと見に行きたいのですが
すっかり見に行った気分になっちゃいました~
Re: No title
>ぞをさん
コメント頂きありがとうございます^^
息子さんはすごい人達と知り合いなんですね! 変なこと書いてるブログがあったぞ!なんて教えないでくださいねw

梁が多くて迷路のようになっているのも面白かったですが、そのため1つ作品を見落としましたw
私はてっきり服の展示かと思っていたのですが、色々あって驚きが多かったです。
この辺は元々好きの方には物足りなく思うのかな??
実際に行ってみると、梁や作品でできた森のようで楽しいと思いますよ^^
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