HOME   »  過去の美術展 (2011年)  »  現代絵画の展望 24の時の瞳 前期:あの頃 【旧新橋停車場 鉄道歴史展示室】

現代絵画の展望 24の時の瞳 前期:あの頃 【旧新橋停車場 鉄道歴史展示室】

前回ご紹介したノエビア銀座ギャラリーの展示を観た後、旧新橋停車場 鉄道歴史展示室へ行って「現代絵画の展望 24の時の瞳」を観てきました。この展示は前期は「あの頃」後期は「この頃」という制作時期ごとに分かれていて、今回観てきたのは前期の内容となります。

PC272580.jpg

【展覧名】
 現代絵画の展望 24の時の瞳
(前期:あの頃・後期:この頃)

【公式サイト】
 http://www.ejrcf.or.jp/shinbashi/

【会場】旧新橋停車場 鉄道歴史展示室  ★この美術館の記事  ☆周辺のお店
【最寄】JR/東京メトロ 新橋駅  都営大江戸線汐留駅


【会期】
 前期:~あの頃~ 2011年12月06日(火)~2012年01月29日(日)
 後期:~この頃~ 2012年01月31日(火)~2012年03月18日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間20分程度

【混み具合・混雑状況(土曜日15時頃です)】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_③_4_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
年末の平日の午後に行ったこともあり、周りのお客さんもまばらでゆっくり観ることができました。

この展示は日本の中堅以上の作家12人の作品が並んでいて、いつもの展示室とは違った雰囲気となっていました。詳しくは気に入った作品を通してご紹介しようと思います。

三瀬夏之介 「シナプスの恋人」 ★こちらで観られます
壁のように大きな画面で、両脇に留め金がついて開閉できそうな感じの変わった形の作品です。茶色くくすんだ色合いで、抽象的な絵となっていますが、高いところから下を見たような光景に思えました。車輪やパイプのようなものがあちこちに描かれ、独特の風合いと重厚さがありました。タイトルは意味深だけど私には何を示すのか分かりません。

小川信治 「バルコニー1」「バルコニー2」
これは2枚並んで展示された写真で、右は中央でモナ・リザのように手を組んで座る少女が写り、背景にはシンメトリーの塔と聖堂のような建物、噴水もシンメトリーに配置されています。それに対して左は、右の写真を中央で割って左右を入れ替えたような感じで、左右に少女の半身が写り、中央に聖堂の屋根、噴水も1つに合わさっていました。一見すると別人と別の場所のように見えるのが面白かったです。

遠藤彰子 「駅」 ★こちらで観られます
西洋の駅を描いたように観えるけど、よく観ると非現実的なシュールな雰囲気の作品です。ホームの下には沢山の線路が入り組んだ迷宮のようなものが広がり、ホームの人は頭を抱えてしゃがんでいたり、新聞を読んでいます。左のほうにはアーチ状の入口の建物があるせいか、どこか異世界に繋がるような不思議な光景となっていました。

森村泰昌 「唄うひまわり」 ★こちらで観られます
これはゴッホのひまわりを元にコラージュしたような作品で、ひまわりの花に様々な表情の女性の顔が描かれています。口を開けたり笑ったりと明るい表情が多いのですが、口だけの花とかもあってやや不気味なところもありましたw 森村泰昌ならではの遊び心を感じます。

元永定正 「FuniFuni」
この記事の冒頭の写真にもある今回のポスターにもなっている作品で、大きなキャンバスに黒い輪郭でクリーム色の謎の不定形物が描かれています。単純なようで形容しがたい形で、確かにふにふにっとした質感がしました。中々インパクトがあります。

松本陽子 「光は荒野のなかに輝いているⅠ」 ★こちらで観られます
大きな抽象画で、ピンクや茶色、白などのうねりが描かれ、羽毛もような質感があります。何を描いているかわかりませんが、暖かく生命感があるように思いました。

横尾忠則 「健常な感情」
二股に分かれる交差点から見た日本の都会の風景です。右には高架の高速道路が描かれ、中央には床屋が描かれています。左の道には真っ赤に染まる木?やドーム状の建物が見える風景で、ドームの建物はサクレクール寺院に似ています。全体的に赤や黄色が多いので夕方なのかな。ノスタルジックな印象を受けつつもどこかシュールなものがあるように思いました。

三輪美津子 「At the Top of the Mountain」 ★こちらで観られます
白黒の濃淡で雪山の峰々を描いた作品です。アルプスのように切り立った山は写実的に描かれ、起伏を感じます。それが画面いっぱいに広がって雄大な光景となっていました。しかし、近くで観ると意外と大胆なタッチで描かれていたのでまた驚きです。


ということで、点数は少ないですが、無料で観られるとは思えないほど満足できる内容となっていました。これは後期も観に行こうかと思います。新橋~銀座付近で時間があったら観てみると面白いかと思います。


おまけ:
この施設のすぐ近くに、中銀のカプセルタワービルがあります。ついでに観に行ってみるのも面白いです。
 参考記事:メタボリズムの未来都市展 (森美術館)
PC272587.jpg


 参照記事:★この記事を参照している記事


関連記事


記事が参考になったらブログランキングをポチポチっとお願いします(><) これがモチベーションの源です。

 

更新情報や美術関連の小ネタをtwitterで呟いています。
更新通知用twitter



Comment
No title
はじめまして。いつも楽しく拝見させていただいています。

現代美術、良いなあ~、と思って眺めていると、森村泰昌先生の作品があって、うれしくなりました。
森村先生には、美大の時に映像・写真の授業でお世話になりました。人間的にもとってもおだやかで素敵な先生で、いまもこの世界で活躍されてるのを嬉しく思います。
なかなか美術館に足を運ぶ事ができないので、こういう情報、とっても貴重です。
ありがとうございました。
Re: No title
>limeさん
はじめまして、コメント頂きありがとうございます^^
森村泰昌氏の薫陶を受けてらっしゃるとは凄いですね!
こちらの展示でも一際目立って面白い作品でしたよ。いつも面白い作風ですよね。

これからも足を運んだ展示について書いていこうと思いますので、今後共よろしくお願いします!
No title
はじめまして!私もこの展覧会に先日いってきました。
前期と後期があることに会場で気づいて、ぎりぎり間に合ってよかったです。
私は小川信治さん目当てで行ったのですが、2枚の作品だけでもどこまでも楽しめて長いこと絵の前にいました。
ところで小川信治さんのあの作品は写真に見えますが、あれ、全部鉛筆で描かれているんですよー。(ご存知でしたらすみません。)
会場でも「え!?絵なの!?」と驚いておられる方もいました。
後期も楽しみですね!
Re: No title
>小鳥さん
コメント頂きましてありがとうございます。
前期後期でがらっと内容が変わるようですので間に合ってよかったですね。
個性的な作品ばかりで素晴らしい展示です。

小川信治の作品は絵だったんですか! てっきり写真のコラージュかと思っていました。
1枚ならまだしもそっくり2枚並んでいたので写真とばかり…。汗顔の至りですw
後期も足を運ぼうと思っています^^
Trackback
Trackback URL
Comment Form
管理者にだけ表示を許可する
プロフィール

21世紀のxxx者

Author:21世紀のxxx者
 
多分、年に70~100回くらい美術館に行ってると思うのでブログにしました。写真も趣味なのでアップしていきます。

関東の方には休日のガイドやデートスポット探し、関東以外の方には東京観光のサイトとしてご覧頂ければと思います。

画像を大きめにしているので、解像度は1280×1024以上が推奨です。

↓ブログランキングです。ぽちっと押して頂けると嬉しいです。





【トラックバック・リンク】
基本的にどちらも大歓迎です。アダルトサイト・商材紹介のみのサイトの方はご遠慮ください。
※TB・コメントは公序良俗を判断した上で断り無く削除することがあります。
※相互リンクに関しては一定以上のお付き合いの上で判断させて頂いております。

【記事・画像について】
当ブログコンテンツからの転載は一切お断り致します。(RSSは問題ありません)

更新情報や美術関連の小ネタをtwitterで呟いています。
更新通知用twitter

展覧スケジュール
現時点で分かる限り、大きな展示のスケジュールを一覧にしました。

展展会年間スケジュール (1都3県)
検索フォーム
ブログ内検索です。
【○○美術館】 というように館名には【】をつけて検索するとみつかりやすいです。
全記事リスト
カテゴリ
リンク
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
メディア掲載
■2012/1/27
NHK BSプレミアム 熱中スタジアム「博物館ナイト」の収録に参加してきました
  → 詳細

■2011/11/21
海の見える杜美術館の公式紹介サイトに掲載されました
  → 詳細

■2011/9/29
「週刊文春 10月6日号」に掲載されました
  → 詳細

■2009/10/28
Yahoo!カテゴリーに登録されました
  → 絵画
  → 関東 > 絵画

記事の共有
この記事をツイートする
広告
美術鑑賞のお供
細かい美術品を見るのに非常に重宝しています。
愛機紹介
このブログの写真を撮ってます。上は気合入れてる時のカメラ、下は普段使いのカメラです。
RSSリンクの表示
QRコード
QRコード
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
学問・文化・芸術
75位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
デザイン・アート
11位
アクセスランキングを見る>>
twitter
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

※できるだけコメント欄にお願い致します。(管理人だけに表示機能を活用ください) メールは法人の方で、会社・部署・ドメインなどを確認できる場合のみ返信致します。