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パリへ渡った「石橋コレクション」1962年、春 【ブリヂストン美術館】

前々回ご紹介した東京国立近代美術館フィルムセンターの展示を観た後、ブリヂストン美術館でブリヂストン美術館開館60周年記念 パリへ渡った「石橋コレクション」1962年、春 を観てきました。

P1142694.jpg

【展覧名】
 ブリヂストン美術館開館60周年記念
 パリへ渡った「石橋コレクション」1962年、春

【公式サイト】
 http://www.bridgestone-museum.gr.jp/exhibitions/

【会場】ブリヂストン美術館  ★この美術館の記事  ☆周辺のお店
【最寄】JR東京駅・銀座線京橋駅・都営浅草線宝町駅
【会期】2012年1月7日(土)~2012年3月18(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間00分程度

【混み具合・混雑状況(土曜日17時頃です)】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
閉館時間が近かったこともあり、空いていてゆっくり観ることが出来ました。

さて、今回の展示はブリヂストン美術館開館60周年記念 パリへ渡った「石橋コレクション」1962年、春 というタイトルがついていて、1962年にパリのパリ国立近代美術館で開催された「東京石橋コレクション所蔵─コローからブラックに至るフランス絵画展」を回顧する内容となっていました。1961年に当時のパリ国立近代美術館副館長ベルナール・ドリヴァルがブリヂストン美術館を訪れて、パリの展覧会への出品を依頼したそうです。そしてコロー、モネ、セザンヌなど50点あまりを出品し、石橋氏は海外でコレクションを公開する機会に恵まれ望外の幸せだったと言っていたようです。

今回の展示はベルナール・ドリヴァルの言葉などを添えていつもの常設の作品を紹介するような感じなのですが、展示されているもの自体は今までご紹介した作品も多いので、この記事では以前ご紹介したコレクション展示の記事と同様に、常設の中で「最近入れ替わって展示されたと思われる作品」をいくつかご紹介しようと思います。そんなに解説なども読んでいなかったので、個人的な感覚で適当な感想になります。 私独自の基準ですみません。
 参考リンク:
  美の饗宴・東西の巨匠たち (ブリヂストン美術館)
  印象派はお好きですか? (ブリヂストン美術館)
  なぜ、これが傑作なの? (ブリヂストン美術館)
  くらべてわかるー印象派誕生から20世紀美術まで (ブリヂストン美術館)


ウジェーヌ・ドラクロワ 「馬習作」
これは水彩で、複数の馬が描かれた作品です。簡素に描かれていますが軽やかで動きを感じます。これもパリで展示されたようですが、ベルナール・ドリヴァルは若い頃のドラクロワの才能を表していると評価したそうです。

アドルフ・モンティセリ 「庭園の貴婦人」
この人はゴッホが影響を受けた画家の1人です。暗い背景に4人の女性と思われる人物が集まっている様子が描かれています。かなり簡略化されてうねるように描かれたタッチが独特で、暗闇の中で人物が浮かび上がるような光を感じました。

この辺には西洋美術館のオノレ・ドーミエの「観劇」の写真もありました。あの作品も一緒に展示されたようです。

エドガー・ドガ 「浴後」 ★こちらで観られます
これはパステルの作品で、前かがみで足を拭いている浴後の裸婦の後ろ姿を描いています。素早く描かれた感じで、裸婦の動きがあるように思いました。結構大きな作品なのでパステルでも見応えがありました。
 参考記事:
  ドガ展 (横浜美術館)
  ドガ展 2回目(横浜美術館)

ポール・ゴーギャンに帰属 「若い女の顔」
横向きの女性の半身像で、ゴーギャンに帰属している(1886年の作品?)ようですが、すっきりしていてゴーギャンのイメージとはちょっと違って観えました。1886年だともうポン=タヴェンで活動している頃かな? どちらかというとそれ以前の印象派の画風の頃の作品に観えました。
 参考記事:ゴーギャン展2009 (東京国立近代美術館)

アンリ・マティス 「横たわる裸婦」
赤いソファに横たわる黒髪の裸婦を描いた作品で、頭を押さえぐだ~っとした感じのポーズをしています。周りは緑の絨毯などで色が映えるのですが、色自体はそんなに明るくないように思いました。装飾的な感じが好みです。

アンドレ・ドラン 「自画像」
やや横向きの自画像です。こちらをじっと見ていて、陰影が強めで彫りの深さを感じ、肌の質感や血色などが結構リアルな感じでした。

ラウル・デュフィ 「静物」
これは結構久々に観た気がします。バナナやさくらんぼ、いちごなどが描かれた静物画で、太く長い線を多用したタッチがリズミカルです。力強くカラフルで観ていて楽しい1枚です。

ジョルジュ・ルオー 「裁判所のキリスト」
これもデュフィと同じくらい久々な気がします。中央に目の大きな髭のキリストが描かれ、周りに赤い顔の人々が描かれています。キリストは白っぽい顔なので、光り輝くような印象を受けます。黒く太い輪郭や厚塗りがエネルギッシュです。

キュビスムや抽象画のコーナーもだいたい観たことあるものだったかな。今回は古代のコーナーも観ることができます。
出入り口付近の最後の部屋は、1962年の「東京石橋コレクション所蔵─コローからブラックに至るフランス絵画展」に関する資料と映像のコーナーです。フランスで取り上げた新聞やルソーの「イブリー河岸」を修復する様子や、ジェラルミンケースに作品を入れる様子が展示されていました。映像は当時制作されたもののようで、人気があったのはコロー、ルノアール、マティス、ルソー、シスレー、セザンヌなどだったようです。


ということで、ここの常設の選りすぐりが集まったような展示でした。だいたいよく観る作品ですが、この美術館に行ったことがない方にとっては一気に代表的な作品を観る機会ではないかと思います。空いているのも快適です。

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