関東近辺の美術館めぐり ~美術・美景・美味を楽しむブログ~

ものいう仕口-白山麓で集めた民家のかけら- 【LIXILギャラリー】

今日は写真多めです。この前の土曜日に京橋のLIXILギャラリーで「ものいう仕口-白山麓で集めた民家のかけら-」を観てきました。この展示は撮影可能となっていましたので、写真を使ってご紹介していこうと思います。

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【展覧名】
 ものいう仕口-白山麓で集めた民家のかけら-

【公式サイト】
 https://www.livingculture.lixil/topics/gallery/g-1909/

【会場】LIXILギャラリー
【最寄】京橋駅(東京)

【会期】2019年12月5日(木)~2020年2月22日(土)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間30分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_③_4_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_③_4_5_満足

【感想】
空いていて快適に鑑賞することができました。

さて、この展示は福井県白山麓にあった築200年以上の古民家で使われた江戸時代の「仕口」が並ぶ内容となっています。「仕口」は柱と梁のような方向の異なる部材を繋ぎ合わせる工法とその部分で、複雑な形で家を支えています。かなりマニアックなテーマで未知の世界でしたが、実物と図解でどのように接合していたか分かるようになっていましたので、その写真を使ってご紹介していこうと思います。

こちらが仕口。一見すると穴の空いた柱のように観えます。
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図解と共に観ると柱と梁を繋いでいた様子が分かります。先っぽの穴は伐採後に積雪を利用して山から里に下ろす際に引っ張る為の穴と考えられるのだとか。中々荒削りな見た目で古民家の力強い印象そのものです。

こちらも太い梁の一部だった材木
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上面は素材感がありますが、切り込み部分は綺麗な直角となっています。

組み込みの図解はこんな感じ。
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梁・桁をクロスさせるための仕口のようで、台形の突出部と組み合わせるシンプルな組み方となっています。台形の形を蟻の頭に見立てて蟻と呼んだのだとか。

こちらは鴨居と大黒柱の部分で使われていた仕口
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図解と実物を見比べるとかなり大きな大黒柱だと思われます。組み方も複雑で、民家と言えども高度な技術が使われていたことがよく分かりますね。

こちらもフォークのように先が割れている仕口。
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複雑な形で、何処にどう繋げるのか想像もつかないw まずは形を観て予想してもカスリもしませんでしたw

正解はこちら。梁と梁を繋ぐ仕口です。
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解説を読んでもかなり専門的で難解でしたが、雪国ならではの間取りによってこうした仕口が生まれたようです。

こちらは穴の数が多い仕口。
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いくつもの梁を繋いでいて高機能w 白山麓は木が巨木に育つそうで、巨木は得難く扱いが難しいものの 十分な長さと強さがあるので短い材を繋ぐ継手の必要がなく結果として手間を省けたようです。それにしてもこんなに複雑な形を考えられるのは職人技ですね。

工具も並んでいました。こちらは墨壺
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木材などに線を引いて目印をつける道具です。鶴と亀の装飾が付いていて縁起が良くてお洒落。

こちらは釿(ちょうな。手斧)
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木材を加工する時の工具で、宮大工の様子を描いた作品などでもよく見かけます。昔はこれで手作業で彫っていたんですね。

最後にもう1つ 恐ろしく複雑な形の仕口。
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もはやセンター的なポジションで無数の木材を束ねています。今まであまり意識していませんでしたが、仕口には長年の叡智が込められていますね。


ということで、専門性の高い内容でしたが 古民家に隠された凄い技術を目の当たりにすることが出来ました。これを観ることで今後 古民家を観る際の参考になりそうです。ここは無料で観ることが出来ますので、古民家好きの方はチェックしてみてください。


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坂田一男 捲土重来 【東京ステーションギャラリー】

先日ご紹介したインターメディアテクに行く前に、東京駅にある東京ステーションギャラリーで「坂田一男 捲土重来」を観てきました。

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【展覧名】
 坂田一男 捲土重来

【公式サイト】
 http://www.ejrcf.or.jp/gallery/exhibition/201912_sakata.html

【会場】東京ステーションギャラリー
【最寄】東京駅

【会期】2019年12月7日(土)~2020年1月26日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間30分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_④_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_4_④_5_満足

【感想】
空いていて快適に鑑賞することができました。

さて、この展示は1920年代にパリで最新鋭の芸術潮流で活動した坂田一男という画家の個展となっています。出身地の岡山以外では大きく紹介されることがなかった知る人ぞ知るといった画家(私も知らなかったw)ですが、当時は世界的に高い次元に到達していたようです。フェルナン・レジェに師事しキュビスム~ピュリスム辺りの画風から独自の道へと進んで行ったようで、全般的に抽象画が多かったように思います。展示は活動時期ごとに章分けされていましたので、詳しくは各章ごとに気に入った作品と共にご紹介していこうと思います。なお、展示順と章が合わないところがありますが、観た順で書いて参ります。


<I 滞欧期まで 事物の探求 ― 事物に保管されたもの/空間として補完されたもの>
まずは初期のコーナーです。坂田一男の画家としての出発は1921年の渡仏後と見なす事ができるそうで、渡仏して数年でフェルナン・レジェに師事しました。レジェやオザンファンら同世代の仕事に接近し、その革新を理解して行動を共にするようになっていったそうで、ここではそうした時代の作品が並んでいました。

1-9 坂田一男 「コンポジション(顔と壺)」
こちらは幾重にも四角や長方形の色面が並び、そこにコックらしき人物の顔と壺が縦半分だけ描かれている半具象・半抽象の作品です。キュビスム的でレジェにも似た作風となっていて、落ち着いた色彩で静かな印象を受けます。中央に青い柱のようなものがあるのが大胆で、幾何学的な構成が巧みな作品でした。

この辺は同様のキュビスム的な作品が並んでいました。レジェほどは有機的な感じがせず、より平面的に思えます。

1-4 坂田一男 「キュビスム的人物像」 ★こちらで観られます
こちらは円錐形を無数に組み合わせた人物像で、パッと観た時に東郷青児の初期作品と似た印象を受けました。淡く明るめの色で意外と優しい印象を受けますが、マリオネット的な無機質さがあるかな。この作品では陰影が付けられていて立体的な感じも出ていました。

このへんは円形や円錐を組み合わせた人物像が並んでいました。それぞれ作風が違っていたりして試行錯誤の様子が伺えます。


<II 帰国後の展開 戦中期 カタストロフと抵抗 ― 手榴弾>
続いては帰国後のコーナーです。1933年にフランスから帰国し、戦時中においてもブレることなく一貫して抽象的思考を持続していたようです。この時期、手榴弾の主題が登場し柄のついた手投げ弾がコンポジションの中に現れるようになったようです。ここにはそうした時代の作品が並んでいました。

2-1 坂田一男 「コンポジション」 ★こちらで観られます
こちらは平坦な色面を組み合わせたキュビスム~ピュリスムのような作品です。中央に柄のついた白い逆三角形の物体が大きく描かれていて、これが件の手投げ弾のようです。一見すると電気ランプのような…w 大きく存在感があるものの、手投げ弾にしては明るい印象を受けました。

この隣ににも似たような2枚の作品がありました。素描にも手投げ弾のコンポジションがあったけど、静かな雰囲気で爆発しそうには観えなかったw

2-56 坂田一男 「端午」
こちらは黒い四角の中に赤い鯉のぼりが上向きになっている様子が描かれた半具象・半抽象の作品です。近くに赤・青・白のポールやロープらしきものも描かれています。黒地に赤白なので色の対比が強く非常に目を引きます。しかし画面は以前よりもざらついたマチエールになっているように思えました。

この近くには多くのデッサンが並んでいました。デッサンもキュビスム風で、中には鯉のぼりを描いたものもあります。また、銃を持つ兵士を描いた作品もいくつかあり、時代を感じさせました。

1-26 ル・コルビュジエ 「ニレ」
こちらはル・コルビュジエによるスケッチです。建築家で名高いル・コルビュジエですが、ピュリスムの画家としても活動していて このスケッチでは円やモコモコした感じの謎の静物を描いています。ニレなのかはちょっと分からないw 手を思わせるものなどもあるかな。解説が無いので坂田一男と直接関係があったのかは定かではないですが、これを観ても坂田一男はキュビスムよりはピュリスムに近いものがあるように思えました。

この近くにはニコラ・ド・スタールやモランディの作品もありました。モランディにも似ている部分があるかも。上階はこの辺までで、続いて下階の内容となります。

2-35 坂田一男 「コンポジション」
こちらは平面的な四角を背景に壺と工業製品が半分ずつ縦にくっついたような謎の静物画です。直線と円を組み合わせていて、色面でも錆のようなものを感じさせる描写もあります。背景には窓のような規則正しい格子があるなど、リズム感ある画面となっていました。


<II 帰国後の展開 戦中期 カタストロフと抵抗 ― 冠水>
引き続き帰国後の戦中~戦後のコーナーで、手榴弾と同じくこの時期の重要なモチーフとして冠水が挙げられるようです。1949年に瀬戸内海に面したアトリエが高潮の被害にあい、多くの絵画が冠水してしまいました。しかし坂田一男は冠水の影響を画面の構造として取り組んだ作品(画面が剥落してそこに別の絵画が浮上するような)を製作するようになったようです。ここにはそうした作品などが並んでいました。

2-67 坂田一男 「静物Ⅱ」
こちらは機械のようなものと中央に黒い壺型のものが描かれた作品です。キャンバスのあちこちがひび割れて剥落しているのが特徴で、まるで遺跡から出土したような風合いとなっています。これが冠水を逆手に取った作品だと思いますが、隣にそっくりの絵があり、比べてみると両方とも剥落している所があるので意図してやっているようにも思えました。ちょっとこの辺は何処までが偶然なのか分からないですが、風化した味わいが出ていて面白い独自性です。

近くには同様に剥落したような作品が並んでいました。


<III-1 戦後1 スリット絵画 ― 積層される時空 ― 海/金魚鉢>
続いては戦後のコーナーです。戦後の最も特徴的なスタイルはスリット状の形が横縞模様のように配置された縦位置の絵画だそうで、このシリーズの始まりではガラスの器の断面が重なったような透明な奥行きが示されたようです。時には金魚が描かれた金魚鉢も登場したようですが、やがて重なりの効果は後退して船の形が現れたようです。これはアトリエのある瀬戸内海をモチーフにしたと考えられるようで、ここにはそうした題材の作品が並んでいました。

4-1-11 坂田一男 「象岩」
こちらは赤い背景に象の横顔に見えるシルエットが描かれた作品です。シンプルな造形になって描かれていますが、実際にこの形の岩が瀬戸内海にあるらしく、隣りにあった写真と比べるとよく特徴が現れています。抽象的な表現ではあるけど具象的な特徴を捉えているのが面白い作品でした。

3-1-19 坂田一男 「金魚」
こちらは黄色を背景に横線が無数に描かれ、下の方は金魚鉢となっていて金魚が泳いでいるのが描かれています。かなりタッチが粗めで今までと異なる印象を受けるかな。隣にも金魚鉢を描いた作品がありましたが、そちらは白地に輪郭線のみで描いていて同じモチーフでも受ける印象はだいぶ違います。またここに来て画風を模索している様子が伺えました。

この辺はアンフォルメルのようなざらついたマチエールの作品が並んでいました。時期的にも近いので欧米の先端を取り入れたのかな?

3-1-14 坂田一男 「エスキース・コンポジション」
こちらはピンクがかった白地に横線と横帯が並ぶコンポジションです。下の方にはコマのような形の輪郭線があり、その下に薄い水色の横帯があるので瀬戸内海に浮かぶ船を思わせます。こちらも絵肌はざらついて風化したような質感になっていて、この時期の特徴のように思えました。

この近くにはこの作品と似た構図の絵がいくつかありました。明らかに船っぽい形の作品もあります。


<III-2 坂田一男のパラダイム>
こちらは同時代の作家との比較の章で、上階などにも点在して展示されています。坂田一男が当時の画家と同様の問題(課題)を共有し事物の探求をしている様子が伺える内容となっていました。

3-2-8 ジャスパー・ジョーンズ  「国旗」
こちらは裏返しになったアメリカの国旗で、落書きのようにグチャグチャな筆致となっています。その作品の下に坂田一男の「コンポジション」が並んで展示されていて、風化したような質感を出しています。画面に別の層を生み出すという点において両者は共通しているようで、お互いに革新的なアプローチの試行が伺えました。


<IV-1 戦後2 残された資料 時間の攪乱=アナーキーなアーカイブ>
続いて資料に関するコーナーです。坂田一男の作品は製作年が書かれていないので確定は難しいようですが、1944年と1954年の2度の冠水被害以降にアナクロリズム すなわち正常な時間の流れを失効させ異なる時間を並列に混ぜ合わせ・重ね合わせ・入れ替えることが重要な革新となったようです。ここはそうした時間の撹乱をテーマにした内容となっていました。

4-1-4 坂田一男 「上巳」
こちらは両手を広げた人物と その傍らに立つ小さめの人物をマネキンのように描いた作品です。桃の節句の雛人形らしく、平坦でシンプルな構図で背景の薄いオレンジに浮き上がるような色合いとなっています。この辺は人物を思わせる作品が並んでいて絵柄は似ていますが、マチエールが違っていたりして印象の違いを比較することができました。

近くには大量のデッサンが並んでいました。機械やマネキンを思わせるモチーフが多いように思います。


<IV-2 戦後3 黙示録=捲土重来>
最後は晩年のコーナーです。この頃には黒を基調とした作品やキリストの復活を思わせる図像の作品があるようで、捲土重来(巻回されうる時空の可能性)は坂田一男が終生 追求した画題で その果てに改めて聖書にたどり着いたようです。

ここはデッサンが大量にあり、確かに被昇天図や最後の晩餐を思わせる群像的な作品がありました。しかし形はハッキリせず沸き立つ黒い岩のようにも思えるのが独特で、指摘がなければ聖書主題には観えなかったかもw 最後まで謎めいた画家でした。


ということで、画風が変わり続けて中々とっつきづらい画家のように思えますが、こんな個性派がいた事を知ることが出来て満足できました。普段から洋画をよく観ている方にも目新しい展示だと思います。



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映画「ジュマンジ/ネクスト・レベル」(ややネタバレあり)

日付が変わって昨日となりましたが、レイトショーで映画「ジュマンジ/ネクスト・レベル」を観てきました。この記事はネタバレを含んでいますので、ネタバレ無しで観たい方はご注意ください

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【作品名】
 ジュマンジ/ネクスト・レベル

【公式サイト】
 https://www.jumanji.jp/

【時間】
 2時間00分程度

【ストーリー】
 退屈_1_2_③_4_5_面白

【映像・役者】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【総合満足度】
 駄作_1_2_3_④_5_名作

【感想】
公開から1ヶ月程度経っていますがレイトショーでも結構お客さんがいました。

さて、この映画は1995年に「ジュマンジ」として初めて映画化され、2017年に続編「ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル」で大ヒットとなったシリーズの第3段となっています。私は1作目は観たものの2作目は観ないままだったのですが、一昨日の金曜ロードショーで観て予想以上に面白くて笑えたので今回の映画も観に行ってみました。

早速ネタバレですが、今回は前作の「ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル」とはかなり密接な続編でキャストも被るところが多くなっていて、前作を観てからの方が楽しめるのは間違いありません。監督も前作と同じでテイストも変わらないので前作が好きな人は今作も気に入ると思います。(前作を知っているとちょっとしたサプライズ要素もあります) 今回もゲームの中に吸い込まれてしまい、命をかけてクリアを目指す…という単純明快なB級映画感が満載ですw タイトルにネクスト・レベルとあるように前作よりも難易度が上がってしまった深刻な状況なのに、常に可笑しくて笑えるシーンが続き、特にゲームのあるあるネタも多くてそれがシュールな笑いを誘います。一方、今回は前回よりも人間ドラマ的な要素も増えているように思えますが、ダレること無くテンポ良く話が進むので、最後まであっと言う間に観た感じでした。

映像に関しては今回もCGでリアルな世界観を出していました。残念ながら私は2D版で観ましたが、3D版だったらもっと没入感があったかも知れません。また、役者については特にゲーム内のキャラが非常に濃くて良い味出しています。見た目のキャラ(ゲーム内のアバター)と中身のキャラ(プレイヤー自身)のギャップを上手く表現していて、それがこの映画の魅力となっているように思いました。

ということで、今作も笑えて爽快であまり深いことを考えずに楽しめました。テーマもへったくれもなく完全に娯楽に振り切ってるのが清々しいw 特にゲーム好きの方には面白い映画だと思います。



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十九世紀ミラビリア博物誌――ミスター・ラウドンの蒐集室より 【インターメディアテク】

先週の日曜日に丸の内のインターメディアテクで「十九世紀ミラビリア博物誌――ミスター・ラウドンの蒐集室より」という展示を観てきました。

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【展覧名】
 特別展示『十九世紀ミラビリア博物誌――ミスター・ラウドンの蒐集室より』

【公式サイト】
 http://www.intermediatheque.jp/ja/schedule/view/id/IMT0198/module/default

【会場】インターメディアテク
【最寄】東京駅

【会期】2019年10月19日~2020年02月24日
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間30分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_②_3_4_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_③_4_5_満足

【感想】
空いていて快適に鑑賞することができました。

さて、この展示はインターメディアテクの一室で行われている小規模なもので、銀行家ジョージ・ラウドン氏の博物誌的に貴重なコレクションを紹介する内容となっています。ラウドン氏は、ボヘミア生まれの標本師ブラシュカ父子が制作した19世紀ガラス標本に衝撃を受け、それ以来 近代科学の教育遺産を蒐集したようです。小規模ながらも多彩な内容となっていましたので、簡単に振り返ってみようと思います。

まずは「平天儀と平天儀図巻」という日本の1801~1802年頃の本がありました。こちらは地球・月・太陽・星などを描いた円盤状の部分があり、中央にかなり精密な世界地図があります。円盤は回転するようになっていて円のふちには十二支の名が書かれ方角を指しているようです。また、その内側には星座も描かれていて星の方向を確認する道具かな? 江戸時代にこんなものがあったのかと驚かされました。
この近くには1890年頃にパリ天文台が撮った月面写真や1849年にヘンリー・ブラントが作った月面の模型など天文学に関する品が並んでいました。いずれも宇宙好きには興味を引くものばかりです。

続いてのケースは生物学のコーナーでした。1855年に描かれたマストドンの骨格図があり、マンモスよりも小型のようですが立派な2本の牙を持ったリアルな図解です。そんな時代に既に古代生物の研究が行われていたというのも知らなかったので、これも目新しく感じました。
さらにその先にはウマ蹄・球節模型がありました。これは1893年のフランスの研究教材で、馬の蹄あたりの動脈・静脈、骨などがむき出しになった模型となっています。これも緻密な解剖の結果を反映しているように思えるかな。解剖人形はよく知られていますが解剖蹄なんてマニアックなものもあったとは…w
そしてもう1つ、「蛇頭骨 鉄製モデル」という模型も目を引きました。こちらは19世紀末にドイツで作られた平面的な蛇の頭の模型で、関節部分がクランクのように可動するようになっていて、どのように関節や骨が動くのかを再現しています。図解するよりも実際に動くところを観たほうが理解しやすいので、これは教育で用いるのに非常に実用的に思えました。

その先には観相学人形というものがありました。これは中国製の人の頭の模型で、顔には升目状の線があり各目には天中や天庭など部位の名前が書いてあります。手相の何とか線を説明するみたいな感じかなw こんなものまで集めたのかとこれまた驚きました。

その先にはジョージ・ラウドン氏が感銘を受けたレオポルド・ブラシュカとルドルフ・ブラシュカというガラス工芸技師の父子による模型が並んでいました。カタツムリ、ナメクジなどが並んでいて本物さながらの出来栄えです。微妙にざらついた肌の質感などはキモいくらいのリアリティw これは芸術品とも言えるほどのクオリティで、ジョージ・ラウドン氏が驚いたのも無理はないと思えました。
その隣には鰻、チョウザメ、ナマズ、タラなどの標本もありました。こちらは石膏に魚の皮を張って彩色したもののようですが、こちらもまた目を見張る精巧さでした。

少し入口方向に戻った辺りにはフランチェスコ・カルニエ・ヴァレッティという19世紀の果物模型の名手によるリンゴの模型がありました。模型はワックスを使って作っているそうで、遠目から観ると本物に観えますw また、少し離れた所には同じ作者によるザクロの模型もあり、こちらも今割ったばかりと言った感じのザクロに観えました。西洋の模型の写実性は半端じゃないw

近くには2つの頭を持つ猫の標本(双頭子猫標本)もありました。頭が横長になって4つ目があり、大きさは鼠くらいです。ちょっと怖いですが、こうした異類形は凶兆として遠ざける姿勢がある一方で、崇敬の念で敬う姿勢もあったようです。これは特に貴重な標本に思えました。

その先には胃石という石がありました。これは球に近い子供の頭くらいはある大型の石で、象か牛の胃の中で固まった石と考えられるようです。中世では胃石は解毒作用があると信じられていたそうで、王や貴族が珍奇なものを集めた「驚異の部屋」には不可欠だったのだとか。普通に丸っこい石に見えるんですけどねw

最後に江戸時代に加藤竹斎という人物が考案した木材扁額という作品もありました。これは棕櫚・モクセイ、椿などが描かれた植物画で、絵馬に似ています。やはり江戸時代は西洋に負けないくらい研究熱心だったのが伺えました。


ということで、科学研究の歴史の一端を知ることが出来ました。まるで化学室に迷い込んだような気分でワクワクさせられますw ここは無料で観ることが出来ますので、東京駅付近に立ち寄る機会があったらチェックしてみるのもよろしいかと思います。



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[李禹煥 版との対話] [山田七菜子] 【東京オペラシティアートギャラリー】

前回ご紹介した東京オペラシティアートギャラリーの企画展を観た後、常設展示も観てきました。こちらも既に終了していますが、メモを取ってきたのでご紹介しておこうと思います。今回は「李禹煥 版との対話」と「project N 77 山田七菜子 YAMADA Nanako」の2つの内容となっていました。

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【展覧名】
 李禹煥 版との対話
 project N 77 山田七菜子 YAMADA Nanako

【公式サイト】
 http://www.operacity.jp/ag/exh227.php
 http://www.operacity.jp/ag/exh228.php

【会場】東京オペラシティアートギャラリー
【最寄】初台駅

【会期】2019年10月16日(水)~12月15日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間40分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_③_4_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_②_3_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_③_4_5_満足

【感想】
空いていて快適に鑑賞することができました。

さて、今回の収蔵品展は韓国の作家で日本の「もの派」の理論と実践における中心的役割を担った李禹煥の特集で、リトグラフやドライポイントの作品が並んでいました。また、後半のproject N77では山田七菜子 氏という若い女性アーティストが紹介されていて、こちらは撮影可能となっていましたので合わせてご紹介していこうと思います。


<李禹煥 版との対話>
まずは李禹煥のコーナーです。李禹煥はもの派として活躍したアーティストで、1970年代から継続して版画作品も手掛けていたそうです。2000年代初頭あたりまでの作品が展示されていましたので気になったものをいくつか挙げて行こうと思います。

02 李禹煥 「点より1」
こちらは白地に黒の縦長の楕円が縦に15個、横に30個くらい並んでいる抽象画です。1つ1つが縞模様のようになっていて指紋のような感じに観えます。濃淡がまちまちで形が崩れているものもあるかな。隣にも同様の作品があってシリーズとなっているらしく、いずれも離れてみるとシミが規則正しく並んでいるような感じがしましたw 奇妙で有機的なリズムのあるシリーズです。

07 李禹煥 「線より2」
こちらは無数の縦線が引かれている白黒の抽象画です。細長く節のようなものがあって竹が並んでいるように観えなくもないw これも真っ直ぐではなく歪んでいて隣とくっついていたり滲みがあったりします。何処と無く朝鮮磁器や日本の侘び寂びの感性に似たものがあるように思えました。
この隣にも横線が連なって簾のようになっている抽象画もありました。

44 李禹煥 「In Milano 4」
こちらは黒と淡い金色で描かれた謎の抽象画です。太い墨の短い線のようなもので、書を連想するかな。余白が多く静かで、幽玄の雰囲気が漂っていました。
近くにも似た作品があったので、これもシリーズなのかも知れません。イタリアで製作したっぽい名前ですがアジア的な感性です。

35 李禹煥 「都市の記憶より 2」 ★こちらで観られます
こちらは今回のポスターにもなっていた作品で、画面中央に太い一文字があり、周りには横に書きなぐったような線や飛び散った点のようなものがあります。これも書道作品のような印象で、特に横一文字が太く勢いを感じさせました。もの派だけあって文字ではなく素材感で墨跡を書いた感じにも思えます。

この辺には似た作品が多く並んでいました。

47 李禹煥 「Avec l'espace」
こちらも今回の展示のポスターの1つで、白地の画面右下の隅っこに黒い四角形がポツンと描かれています。これも墨で描いたような味わいで、素朴で侘び寂びを感じさせます。それにしても何故こんな隅っこなんだ?wって突っ込みたくなるくらい面白い構図でした。

22 李禹煥 「From Line 11」
こちらは横長の楕円を黒の輪郭線で描いただけのシンプルな作品です。しかしよく観ると所々で途切れていて、形もいびつです。細い線がフニャッと伸びていて何かの植物の蔓のような印象を受けました。この辺は線を使ったシンプルな抽象画が多めでした。


<project N 77 山田七菜子 YAMADA Nanako>
続いては山田七菜子 氏のコーナーです。山田七菜子 氏はほぼ独学で絵を学んだそうで、2018年にVOCA展2018 VOCA奨励賞を受賞した際に「絵画が、壊れ傷ついたイメージをやさしくつつみこむことができるという感覚は以前からあり、絵というものは肯定的で楽観的で豊かなものだったら良い」と述べられたそうです。心情を濃い色彩で描いたように思える作品が20点ほど並んでいましたので、いくつか気になった作品を写真と共にご紹介していこうと思います。

山田七菜子 「歌舞伎者」
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背景は風景かな? 人の横顔らしきものと独特のプリミティブな色彩感覚で心象風景のように思えます。タイトルと絵の関連性は分かりませんでしたが、ちょっと物悲しい雰囲気に思えました。

山田七菜子 「雨降り」
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確かに雨が凄い勢いで降っているようです。人物は歯をむき出しにして何かを噛んでいるのでしょうか。怒っているか苦しい表情に見えるけどこれも心の中を観ているような感覚になりました。

山田七菜子 「湖畔」「砂丘、島」
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こちらは風景画のようですが、具象的なものがどこなのかちょっと判別がつきませんでした。この赤と青の深みがこの方の特徴のように思えます。

山田七菜子 「無題(ドローイング連作)」
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ドローイングもありました。人が登場するのが多いようで、夢の中のようなちょっとシュールで漠然とした不安感のある光景に思えました。

山田七菜子 「漁」
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これはハッキリと漁だと分かるけど、森の中のような不思議な背景で2人は会話しているのでしょうか。物語の一場面のような作品となっていました。

山田七菜子 「漁(朝)」
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こちらも漁ですが作風がかなり変わって具象性が増しているように思えます。神秘的でどこか懐かしくもある作風になっていました。

山田七菜子 「山水」
DSC00793_202001100127407cd.jpg
こちらも具象的ではあるけど山と人が重なっているような構図が目新しい。花を持って楽しげに笑っているように見えるけど、空は夜のように暗いので幻想的な雰囲気に思えました。

山田七菜子 「海」
DSC00813.jpg
これは女性の横顔と海かな。深いブルーが印象深い。波が早そうだけど瞑想的な印象を受けました。


ということで、両方とも意図を汲むのは難しかったように思いますが、心に残る個性があったと思います。既に終了しましたが、今後も機会があったら観てみたいアーティストです。



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